小・中学生におススメの本!【第32回】
2023年09月12日(火)
こんにちは。文系担当の橋爪です。
今回紹介する本は、ここ数年話題に上ることが多いメタバースを題材にしたお話です。メタバースとは、インターネット上に仮想的に構築された3次元の仮想空間のことで、利用者は自分の代わりとなるアバターを操作し、他者と交流することができます。
「サマーウォーズ」という映画を見たことがある人はイメージしやすいかもしれません。この作品の中には「OZ(オズ)」という仮想世界が登場します。この仮想世界には、パソコンや携帯電話などの端末を使ってアクセスすることが可能で、ユーザーは自分自身の分身となるアバターを使って買い物やゲームをしたり、他のユーザーとコミュニケーションを取ることができるようになっています。この映画は2009年に公開されているので、かなり時代を先取りしていて驚きですね。
現実世界におけるメタバース空間でも、他のユーザーと交流することはもちろん、イベントの主催や参加、さらに、メタバース内で仕事をしてお金を稼いでいる人もいます。また、身体や精神に障がいを抱えている人にとって、現実世界では難しかった活動が行えたり、新しい世界を体験できたりと、多くの人にとって意味のあるものになっていく可能性を秘めているようです。
今の小中学生が社会人になるころには、SNSのようにメタバースがより一般的に活用される時代が来るかもしれません。その時のために少しずつ、知識を蓄えておきたいですね。
「もしも彼女が関ケ原を戦ったら」 著:眞邊明人
経営不振に陥った名門歴史ゲーム企業の命運を握る極秘プロジェクト、それは触覚や嗅覚までもが再現されたメタバース空間で行う関ヶ原の戦いだった。歴史もゲームも詳しくない主人公みやびは、その開発中の超絶リアルなゲームのテストプレイを任命され、史実ではあっさり敗れた西軍を勝たせるというミッションを担うことに…。
現代を生きる私たちが「歴史から学ぶ」ことの重要性を教えてくれる作品だと思います。終盤の合戦の場面は、小説のゲームの世界であることを忘れてしまうほど、この世界に入り込んでいました。歴史好きの人にはぜひ読んでもらいたい。
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