ここ2・3年で露骨になってきたことを書こうと思う。
成績の付け方があまい
2020年度(昨年度)は、模試会社主催のセミナーでも「今年度は成績がどの中学もあまい」と言っていた。地区によって違いはあるにせよ、私(二宮町)も同感だ。学年のレベル・担当教師によって差が生じるのは致し方ないとは思う。毎年、同じ生徒ではない。中学生は義務教育7~9年目なので、それまでの蓄積がどれほどあるかで学年のレベルは変わってくる(極論は、小学校でどれだけ学習が習慣化されているかで大きな違いになるから小学校が一番大事なのかもしれない)。
講師を20年以上もやっていると「この子は成績5だろうな」「取り組み方次第で成績4になりそうだ」「定期テストで7割は取ってくるだろう」など授業中に考える。だから、ある程度各教科の「成績見込」は付く。毎週、会議でクラスや個々の状況を確認しているので教科間の連携も取れていると思う。
それに誤差を感じることが多くなってきたのがここ2・3年。
周りのレベルが下がったのか!?基準が以前より下がっているのか!?
指導(予想)しているより成績が高いということは悪いことではないが、これで良いのだろうか。
しかし、ペンゼミ生の中でも「この子は成績5でも良いのに…」と思う子に成績4が付くこともある。生徒には【点数】【授業態度(関心・意欲)】【提出物】で成績が決まると言っているので、どこかが欠けて成績4が付いているのだろうが点数ではない。最近では成績4はテストの点数で平均+5から+30など幅が大きい(平均60点で65~90点で成績4!?)。同様に成績3の点数幅も非常に大きい。平均ー15点でも成績3が付く生徒もいれば平均+15点でも成績3が付く生徒もいる。もちろん定期試験だけで成績を付けているわけではないことが分かっているが、学力検査では同じ成績として見られる。
クラス分けは成績を基準にできない
上記のことで、クラスは成績を基準で分けることができなくなった。学年に応じて「成績基準33(9教科中成績4が6教科・成績3が3教科)」を目安としていたが、現在ではPクラス(下のクラス)に成績33を超える生徒が複数いる。
では、何を基準にクラス編成としているか。
中3生は年間5回受験する「全県模試」が最優先。一応、志望校も考慮する。クラス編成の判断基準に成績が入ってこなくなった。
中1・2生は年間2回しか全県模試を行わないので、通常授業に実施ている小テストの結果が最優先。更に、欠席率なども考慮し、週1の会議で各講師の見解を確認する。理系科目を担当する私(塾長)が「この子を上のクラスにしよう」と提案しても「英語はまだ厳しいです」と言われれば、クラスを変えない。
体験生はどちらのクラスに!?
困ったことが「体験はどちらのクラスで行うか」ということ。面談時に成績は必ず確認するが、成績4、成績5であっても、その実力があるかどうかは判断が難しい。中1最後の成績で4だった体験生が、ペンゼミ生の成績3と同程度の実力だった(もっといえば成績3のペンゼミ生の方が実力がある)というケースはよくある。
なぜか!?
それは非常に単純なことかもしれない。成績が3のペンゼミ生も1年間、様々な問題に取り組み演習量が違うからだ。個人差はあるが、演習量を重ねた方が定着は強い。定期テストだけの短期記憶で点数をとり成績4を取った生徒より、定期的に学習をして成績3である生徒の方が定着が良い。中2の3学期には成績は逆転するし、模擬試験では大きな差がでる。(現中3生19期生は、中1時に成績平均があまり高くなかったが、中1時に様々な取り組みを経て中2の3学期の成績は平均的高い成績となった)
もちろん、体験生が転塾なのか、初めて塾に通うかというところも大きく違っている。
転塾の場合は、どの学習塾からの転塾か確認する。そうすると二宮地区の学習塾では、「この学習塾では英語が強い」など分かる。その子がペンゼミに入塾し英語の成績・点数は多少伸びただけ、数学の点数は飛躍的に伸びたのであれば、その学習塾は「英語は強いが、数学は比較的弱い」と考える。一点補足を入れておくが、英語は伸びるのに時間がかかる。
初めて塾に通う場合は、比較的伸びやすい。まずは学習習慣を正すこと。簡単に言うと「宿題をしっかり行い、小テストで受かること」だ。宿題をやっていれば、小テストも受かる。…。「理科・社会の小テストは受かる」に変更。理科・社会は最低限暗記を要する内容の小テストなので勉強量さえあれば受かるようになる。
では、英語・数学は!?
ペンゼミ英語科の小テストは、初めて学習塾に通う生徒はたいてい1発では受からない。特に成績4の生徒は約1か月くらいは再テストになる生徒が多い。単語だけではなく文法・長文・英作などが入っているので、勉強してきた単語が満点でも小テストは受からない。既習内容の文法、長文に対しての慣れがポイントとなってくる。
ペンゼミ数学科の小テストは、宿題をやってくれば受かるようには作成している。宿題内容の類似問題が全て正答であれば合格となる基準。それ以外にチャレンジ問題を出題する。Aクラス(上のクラス)のチャレンジ問題は、解けても正答率15%程。これが数学に必要な「考える力」を鍛える練習としている。初見の問題に弱い生徒は多いからこそ、どう立ち向かうか見ている。
最後に
ペンゼミは、入塾試験を行っていない。トップ進学校専門の学習塾ではないので、「個々をどれだけ伸ばせるか」を考え、導入や演習問題も選定している。クラスによってコンセプトは違う。Aクラス(上のクラス)は「難化する問題に挑戦」するため応用問題まで授業に取り組むし、Pクラス(下のクラス)は「徹底した基礎固め」をするために、基礎反復演習が多い。模擬試験を解かせれば点数差が出るが、定期試験ではPクラスでも80点台後半を取る子も多い。最近では、Aクラスの生徒成績よりもPクラスで授業を受けている生徒成績の方が高い子も複数名でてきた。それぐらい実力と成績の付け方に誤差が出てきたということ。
では、何が必要なのか!?
はやり成績ではなく「実力」ではないか。「成績3だからまだ大丈夫」「成績4だから平均以上だよね」と考えているのであれば、その先に下がることは明白。更に、「成績が下がりそうだからそろそろ学習塾に通わないと」と考えて行動するのであれば、何よりも優先して行動をすべきだと思う。部活を休んででも塾の体験に行き、土日のお出かけをやめてでも勉強をする。落ち始めている子と小さくても比例して伸びている子では簡単に逆転する。このブログを書きながら、「焦りを感じた塾に通っていない中学生は、ペンゼミでなくても良いのでどこか学習塾に通ってたくさん演習して実力を付けてほしい」と思ってしまった。「成績で学力を判断できない時代」。気が付いた時には既に取り返しがつかないためにも実力を付けていきましょう!!
オブラートに包まずもっとストレートに最初はブログを書いていたが、読み返してかなり修正をしたので文章が支離滅裂になってしまった。元々、文才があるわけではないのでご勘弁を。